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甲状腺の炎症

橋本病(慢性甲状腺炎)・無痛性甲状腺炎

橋本病は甲状腺に対する自己免疫反応によって起こる慢性の炎症で慢性甲状腺炎とも言います。無痛性甲状腺炎は橋本病の炎症が一時的に強くなったものです。橋本病の項をご覧ください。

亜急性甲状腺炎

  • 痛みを伴う甲状腺の炎症で、甲状腺の一部が硬く腫れ、押すと痛い
  • 夕方から夜間発熱する
  • 甲状腺ホルモンが過剰となり動悸・息切れ・手の震えなどの症状が出る
  • 副腎皮質ホルモンで症状は劇的に改善

名前は亜急性ですが急性に起こる甲状腺の炎症で、痛みを伴って甲状腺が腫れます。これに先立って鼻やのどに風邪のような症状があることが多く、ウィルスが原因だといわれています。その後に頸(くび)に痛みが出て、特に夕方から夜にかけて高熱が出ます。頸の診察をすると甲状腺に硬く腫れた部分があり、押すと痛いのでこの病気が疑われますが、頸の痛みの訴えがないと見逃されて熱の原因をいろいろと調べられてしまうことがあります。
橋本病でみられる無痛性甲状腺炎と同じように、甲状腺に蓄えられていたホルモンが漏れ出て一時的にホルモンの過剰が起こり動悸や頻脈・手の震えなどが起こります。
痛みや熱は軽い場合もありますが、炎症が強いと、甲状腺ホルモンの過剰も加わって体が非常にだるくてつらいのも症状の一つです。
無痛性甲状腺炎と同じ様に、甲状腺ホルモンは自然に正常状態になり、その後一時甲状腺機能低下症になることがあります。まれにそのまま機能低下が持続してホルモンの補充が必要になることがあります。
痛みや発熱が軽い場合は非ステロイド抗炎症薬で治療しますが、炎症が強いときは副腎皮質ステロイドを使用します。強力な作用があり、通常速やかに症状が抑まりますが、副作用に注意が必要です。また、減量していくと炎症が再燃することがありますので、よくなったからと服用をやめたりせずに主治医の指示に従いましょう。
再発することはめったにありませんし、あったとしても何年も経ってからです。

急性化膿性甲状腺炎

細菌性の炎症で咽頭の細菌が梨状窩瘻という胎生期の遺残の管を通して甲状腺に感染し炎症を起こします。小児・若年者に多く、次に述べる根本的な治療をしないと繰り返します。成人になって初めてなるのはまれです。多くは左側の甲状腺が赤く熱をもって腫れ、抗生物質や切開排膿で治療します。炎症が治まってから梨状窩瘻を取り除く手術をします。

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