- バセドウ病は治らない?
- 治った状態になることはそれほど珍しくありません。
バセドウ病は、甲状腺ホルモンが過剰に作られる病気です。血液中に甲状腺を必要以上に働かせる物質があって、甲状腺を刺激しているのがその原因です。この物質をTSH受容体抗体(TRAb)といいます。TRAbを減らす薬はまだないのですが、治療で甲状腺ホルモンの産生を減らして正常なホルモンレベルを続けていればからだへの影響はありません。こうしているうちにTRAbが消えていくのを待ちます。TRAbが消えれば治った可能性があります。この状態になってすぐ薬をやめるとぶり返すことがあるので、しばらく様子をみてから中止します。TRAbも消えて治療がいらなくなったら、バセドウ病は治っているといえます。こうなるまでどのぐらい時間がかかるかは、人によってかなり違います。バセドウ病は治らないと言われることがあるのは、長くかかる場合も多いことや、治ってもまたぶり返すことがあるからでしょう。
TRAbがなかなか消えない場合は、アイソトープ治療(放射性ヨウ素療法)や手術をして、甲状腺ホルモンを作っている細胞を減らせば、TRAbが消えなくてもホルモンが過剰に産生されなくなり、バセドウ病の薬がいらなくなりますので、この場合もバセドウ病は治ったと言えます。