甲状腺の疾患がある人は、海藻を食べてはいけない?|甲状腺と病気の正しい情報ならチーム甲状腺

誤った情報と正しい情報

甲状腺の疾患がある人は、海藻を食べてはいけない?
いいえ、偏った食べ方をしなければ問題ありません。

ヨウ素は甲状腺ホルモンを作るのに欠かせない材料ですが、大量に摂り続けると逆に甲状腺のホルモン産生が減って甲状腺機能低下症になることがあります(大量のヨウ素で甲状腺機能低下症になる人がいる 項参照)。ただし摂るのをやめればまもなく元にもどりますし、続けて取らなければ問題ありません。
ヨウ素を多く含む食品は海藻ですが、その中でも格別多く含んでいる昆布は、甲状腺機能低下症の原因になることがあります。甲状腺機能低下症になりやすいのは橋本病の人で、半数ぐらいの人が大なり小なり影響を受けます。橋本病でない人もまれに影響を受けることがあります。昆布が大好きな人は、好きなだけ食べてみて、甲状腺機能低下症になるか検査してみるという方法もあります。その他の海藻は、昆布に比べてヨウ素の含有量がずっと少ないので、かなり大量に食べ続けないかぎりまず問題ありません。食品中のヨウ素の量については表を見てください。
すでに甲状腺ホルモン(チラーヂンS)を飲んでいる場合は、好きなだけ食べても問題ありません。
バセドウ病の場合は、大量のヨウ素に甲状腺ホルモンを減らす作用があるのを利用して、ヨウ素で治療することがあります(バセドウ病の治療参照)。

食品 ヨード量/100g 1食に摂取する量
おおよその量(g)
ヨウ素含量
昆布 200mg 10~20mg
昆布出し汁 —- 昆布0.5~1.0 1~2mg
ひじき 30mg 5~7 1.5〜2mg
わかめ 10mg 1~2 0.8〜1.5mg
海苔 6〜7mg 120μg
寒天 2mg 10 200μg
いわし 300μg 100 300μg
ぶり 200μg 100 200μg
塩さけ 150μg 100 150μg
大豆 100μg 20 20μg
白米 40μg 160 64μg

文献:布施養善ほか 日本人のヨウ素摂取量推定のための加工食品類のヨウ素含有量について 日本臨床栄養学会 32 (1):26-27, 2010

ページトップへ